Shigeru Kan-noさんのブログ(日記)〜クラシック音楽の総合コミュニティサイト Muse〜

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364. ドストエフスキーの「未成年・青二才」1月5日

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Ein grüner Junge
nach dem Roman von Fjodor Dostojewskij
Aus dem Russischen von Swetlana Geier
In einer Bühnenfassung von Frank Castorf

難解長編小説と言えばこれが最高に難しいらしい。「富豪となり、権力を得ることによって自由を求めようとする私生児アルカージイ・ドルゴルーキー、信仰と不信、西欧とロシア、地上的な恋情と天上的愛に引き裂かれ、そのような自我の分裂を、「万人のための世界苦」に悩まなければならないロシア知識人の宿命と見る、実父ヴェルシーロフ――この分裂した人間像に、アルカージイの戸籍上の父である巡礼マカール老人の神を信じる素朴な精神が対置される。ドストエフスキー後期五大長編の一作。四大作品、という分類されると排除されてしまう、五大作品の崖っぷち作品です。最も難解で読みにくいです。ドスト作品はどれも名前が難解で、呼び方もコロコロ変わるので集中しないと読めないのですが、本作は物語を前に運ぶエネルギー、読者にページをめくらせる力が若干弱めではあるのです。ただし、ドストエフスキーファンにはベストに挙げる人もいるほどで、青春小説としての景色が垣間見えたりする素晴らしい瞬間にも出会えるので、ファンは必読です。玄人向けではあります。」とネットにある。

演劇にしては珍しく30分前のドウマトゥローグによる解説。小説のドイツ語訳による戯曲化。5つの巨大な小説の最後から4番目。バルザックとシラーを意識し、トルストイが同僚。音楽のオペラ的には「死の家の記録」、「白雉」、「賭博師」などで親しい。常に共産主義が付きまとった人生。強制収容所。チャイコフスキーやラフマニノフのようなヨーロッパ旅行でのドレスデン。クロード・ロレン、フランツ・カフカ。サンクト・ペテルブルク。自殺の理解。原書は850ページ。プログラムには18時開始、一回休憩で終演が23時45分とあるがこういう超巨大な作品は商業ベースには全く乗らないので補助が十分に入った公立劇場で無いと不可能で、まさに芸術活動に相応しい選択である。細かい演出は役者の即興に任せたらしい。音楽にジャズも出てくるか会わないと解説者が白状している。

ウィーンのブルク・テアターではリチャードIII世やヘルデン・プラッツが3時間半で長かったが、4時間かかるシュトットガルトのシラーの「ドン・カルロス」は見逃した経過がある。

大掛かりな舞台で左半分は大スクリーン、右半分はロシアの一軒家。スクローンの裏側にもたくさんの部屋があって車とかほとんど隠されて見えない。最近の演出はオペラでも演劇でも良く映画が同時進行で入って来る。前の解説が遅れたので入場が遅れているがほぼ満席。ロシア語で中央にアプトブスと書かれている。

室内のライブ劇の方はすべてカメラに撮られてスクリーンの巨大に映し出されてくる。マイクにも追いかけられて台詞も増幅されている。カメラの切り替えがなかなか。外に出るとスクリーンが無くなり生だけで見せる。繰り返しのセリフが多いので難解小説の割には意外とわかりやすい。ワニの仮面に続いいてSF映画に出て来る化け物星人のフランケンシュタインの仮面は多分役者の自発的アイディアだがガラガラ声で何言ってるかわからん意図的演出。主にドイツ語だがロシア語の他にフランス語ばっかり喋る女役者もいてこれらの言語をある程度知っていないといちいち字幕で訳さないのでちっとも面白くない作品。ここまで来ると台本の意味が解かる・わからないは重要ではなくなる。役者の移動に伴うプロンプターやカメラマンも映す。見えない影の演技はほとんどライブでスクリーンに出す。

本物のロシア語のフィルムのセックスシーンは既成の映画の引用らしい。生の演技でも描写は多いがそれでもオッパイまで。ロシア後訛りのドイツ語で喋る人。フィルムと生演技の同時進行のポリフォニー。このローロッパの音楽・小説・視覚芸術の交換性は素晴らしい。次のボクシングとタバコのシーン交差が始まる。ハーモ二ウムを弾くシーン。女がボクシングのダシメン入れて喋るので何言ってるのか全然わからないが、それも音響芸術の魅力の一つと理解。共産主義の話。最後に英語のペプシ・コーラのコマーシャルの宣伝が出て休憩。2時間40分。

終わったと勘違いして帰る人が多い。意外とこの演劇の上演時間見て来ない気軽な人が多い。この上演のために作ったルーレットの白黒映画。徐々にまたフランス語のセリフが多くなる。更にロシア語。また1幕の化け物マンが登場。声が酷過ぎて何語か聴き取れない。イコンをぶっ壊す。最後にプロンプターを引っ張り出してきて台本を読んで感謝して終わりにする。2時間20分。正味5時間。

Arkadij Dolgorukij ist der uneheliche Sohn eines adeligen Gutsbesitzers und einer Gesindemagd. Um seine gesellschaftliche Isolation, den Makel seiner »niederen Geburt« zu überwinden und die Achtung seines Vaters zu erringen, hat er sich einer Idee verschrieben: Er will reich werden »wie ein Rothschild« – um sein Vermögen am Ende zu verschenken. Denn Geld ist nur Mittel zum Zweck, es bedeutet Autonomie, bedeutet Freiheit. Also reist er nach St. Petersburg und macht sich auf die Suche nach seinem Vater – der sich als zwielichtiger Charakter erweist. In seiner Orientierungslosigkeit kommt Arkadij mit Anhängern der Revolution in Berührung, mit Spielern und Verschwendern, mit Selbstmördern und Fürsten – vor allem aber mit seiner Familie, die in einen aufwendigen Prozess verstrickt ist. Es ist ein explosives Spannungsfeld aus Intrigen und geheimen Plänen, unglücklichen Beziehungen und verräterischen Briefen, in das der 19-Jährige hineingerät. EIN GRÜNER JUNGE ist ein Entwicklungsroman und eine komplexe Vater-Sohn-Geschichte, vor allem aber ist es eine hochmoderne Studie einer tiefgreifenden Verunsicherung – es gibt keine Gewissheiten mehr, auf Informationen und Beziehungen ist nicht länger Verlass.

Fünf große Romane hat Fjodor Dostojewskij geschrieben, vier davon hat Frank Castorf bereits in fulminanten Inszenierungen auf die Bühne gebracht. Mit EIN GRÜNER JUNGE vollendet er die Reihe und kehrt nach 29 Jahren ans Schauspiel Köln zurück.
KONZEPTIONSPROBE MIT FRANK CASTORF
CA 5 STD 45 MIN • EINE PAUSE
Besetzung
 
Sophia BurtscherBruno CathomasMelanie KretschmannNicolas LehniSeán McDonaghPeter MikluszMathias OsterNikolay SidorenkoTiphaine RaffierSabine WaibelInes Marie Westernströer
 
Regie
Frank Castorf
Bühne
Aleksandar Denić
Kostüme
Adriana Braga Peretzki
Video
Andreas Deinert
Musik
William Minke
Licht
Rainer Casper
Dramaturgie
Julian Pörksen

 作曲家 指揮者 ピアノ 現代音楽 オペラ∩声楽曲


日付:2019年01月07日

2件のコメント

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このブログ(日記)へのコメント

小原 なお美

 5時間ってすごいですね〜。日本なら一挙上演ではなく、前後編で分けそうです。」

2019年01月12日 12時26分34秒

Shigeru Kan-no

ワーグナーの「リエンチ」のようにそうやるとチケットが2枚になり高いのでみんな買わなくなるんですよ。シュトックハウゼンの「日曜日」がそうでした。やはり5時間かかるんだけど、1日で通しのチケットがやはりすぐ売り切れて、僕は2日間かけてやる高いほうのチケットを買う羽目になりました。大失敗!

2019年01月17日 05時34分51秒

2件のコメント

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