Shigeru Kan-noさん
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I.
メーデーの電車の中は山歩きしたいロシア語とフランス語を喋る人でいっぱい。これはケルンの登りなのでどう考えてもケルンに住んでいるのでも旅行者でもないのにここの大田舎のどっかに住んでいるらしい。
ホテルの車が遠慮なしに来るフィルハーモニーの前で吹奏楽が始まるが、注目すべきは演奏曲目に「ほんだ・ゆうや」とか言う日本人作曲家が入っていること。もちろんどういうことかプログラムで調べる。1977年に生まれて2004年に死んでいる。これを普通の学校の吹奏楽に加えてケルンの日本人が作った8人のチンドン屋バンドでやる。自分もかなり長く吹奏楽の指導をしたが、ここでも至るところに日本人作曲家のレーパートリーが入ってきてる。曲そのものは典型的なサン・サーンスの「サムソンとデリア」を思わすポップの吹奏楽だが、シューベルトと同じ31歳で死んだ日本人作曲家の曲を残したいということでプロのチンドン屋バンドをケルンで組んだらしい。大きな吹奏楽のほうはイギリス風でコルネット、スーザーホーン、バリトン、シンバル付きの小太鼓などである。現代音楽祭で吹奏楽を委嘱したのは十数年前のドナウエッシンゲンでもあった。今回は委嘱ではないが、日本の若い作曲家を偲ぶという意味でやったらしい。それで大聖堂の周りを30分で行進する。中央駅に至る前の階段を行進を休止して雛壇として使ったのは良い方法だがそこまで行進するのに楽譜見て指揮見てよく転ばないものと思った。もちろん11時31発の電車の出発音が入った。
ACHT BRÜCKEN Freihafen
1. TRAVEL MUSICA
TRAVEL MUSICA.
TRAVEL MUSICA - High-powered CHING DONG Band , Youth Brass Band NRW, M. Schädlich: Honda, Meures
MI 01. Mai | 11:00
Bischofsgartenstraße
次は公開練習、準備のプローベがダルムシュタットのように遅れてなかなか始まらない。みんな外で待ってたが特に目立つのは自分の前に身長2mのカップルが立っていることである。女でも2mの身長は良くいるのでそんなにここでは珍しくはない。ペダル式のブルントップフは初めて見た。ここで予定にはないモルティエの弟子のインテンダントが出てきて解説をカンブルランに聞く。ベルリン国立歌劇場やケルン・オペラの演目政策にもかかわっているらしいく、そのためにベルリンでもオペラの委嘱初演が多くなったらしい。14分遅れで開始。昔クレムスで初めて会ったクラング・フォルム・ウィーンのヴィオラもチェロも歳を取った。ここでハースの曲を通すという。去年の11月にポルトガルのポルトで初演した曲。ハープが調律の違う別のハープにも持ち替え。どうも微分音で調律しているらしい。ppppのグリッサンドの開始は好感が持たれる。ハープのお姉ちゃんはシュトックハウゼン・アンサンブルかどっかで見たチャーミングなメガネ・フランス人。フランス人の指揮者にフランス語で質問。弦の非常にゆっくりとした下降グリッサンドもしくはトレモロ付き。16小節目のフェルマータ。金管同士の微分音とグリッサンドト掛け合い。2つのハープを同時に弾く場面。ティンパニの非常に遅いグリッサンド。コントラバスは4弦。どう聴いてもこの曲は倍音だらけなどのオーストリア風のスペクトル楽派でしかない。このアンサンブルをクレムスで初めて出会った時もラモンテ・ヤングやジェームス・テニーのプローベに参加して最後にORFが放送用の録音してた。ストックハウゼンが死んでから現代音楽は終焉したかに見えたがところがどっこいどこにでも生きているし、それどころか聴衆が増えている。この倍音調率は非常に正確にされているらしく。BbもF♯も普通の平均律のそれではなくちょっと低いしちょっと高いのである。コントラバスの高次倍音はとても高く手が届かないので楽器を半分固定してやっている。282小節。なんか名を出して金が欲しくなったジョン・アダムスの繰り返しをふんだんに身に付けたお笑い作品に変貌。
それにしても聴衆でフランス語話してるのが多い。タダなのでフランスからわざわざ来たのか?さっきの電車の山歩きのフランス人ではないと思う。それともケルン周辺にもこんなに住んでいるのか?とにかくこういう作品を分析するには調音アナリーゼが非常に役に立つ。日本の音大にもぜひ取り入れたい授業である。売れもしない楽譜を出版しいちいち聴衆にサービスで配るわけではないし、楽器の方向向いて聴いた方がはるかに早く要点をアナリーゼできる。百見は一聴にしかずである。
帰りにどっかの会社が現代音楽の聴衆に丈夫な手提げ袋を寄付したので1袋貰って帰った。
中にメモ帳と貼り付ける栞が入っていた。外のポスター見ると今度来るウィーンフィルはソキエフと来るらしい。指揮者の顔ぶれもどんどん変わる。
2. im Schatten der Harfen
Klangforum Wien, S. Cambreling: Haas
MI 01. Mai | 12:00
Kölner Philharmonie
Eintritt frei
Klangforum Wien
Sylvain Cambreling | Dirigent
Benedikt Leitner | Moderation
Georg Friedrich Haas
im Schatten der Harfen (2018)
für Ensemble
Kompositionsauftrag von Casa da Música Porto, ACHT BRÜCKEN | Musik für Köln und dem œnm . österreichisches ensemble für neue musik
keine Pause | Ende gegen 13:00
作曲家 指揮者 ピアノ 現代音楽 オペラ∩声楽曲