Shigeru Kan-noさんのブログ(日記)〜クラシック音楽の総合コミュニティサイト Muse〜

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387.コンポージアム2019,オペラシティ、武満作曲賞、6月9日

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今回は4人のファイナリストのうち3人が中国人。匿名でフランス人が審査してこうなった。中国人はいま黒人と一緒に東京の超高層ビルも作っているが電気自動車やITだけじゃなく作曲界の技術の発達も毎年目覚ましい。民音指揮者コンクールと同じように国際的になるとそれだけ日本人の入賞は難しくなるのはスポーツだけではあるまい。
ゲンの作品は二管で12型。形式は単純でエントロピー的な展開• 発展法。リゲティ進行、クライマックスの意識、シンセサイザーの導入、音が止まると反って音楽らしく聴こえる。混沌な中から日本の作曲家のようなオステイナートが出現する。14分。
...
2番目のジンの作品も似てはいる。14型。劇的に始まるが使う技法は同じらしい。特に同じパッセージの繰り返し。マヌリのように音が飛ばないから演奏は難しくない。12分。
東フィルは昔と比べても弦はそんなに強くなっていない。したがって管打をマスキングするためにニューヨーク• フィルのように雛壇を用いないのであろう。
リントナーはトリルで始まる。ラテン•アメリカの作家としては珍しく曲が乾いていない。トレモロでもきちんと微分音で音を重ねている。弱音期のようなものでチェロの弦を擦るが何らかの音が出たとは思えない。明らかに日本や中国の作曲技法の影響は受けていない独特な作品である。チェロとコンバスの末端でカトリックのコラールのようなものが。14型、13分。
リュウは増幅のためかスピーカーを使う。かなりのドイツ語法はラッヘンマンを思わせるが特殊奏法を多用しているわけではない。悪魔のような第一楽章、準悪魔のような第二楽章、準々悪魔のようなグリッサンドを多用したかなり静かな第三楽章。最後に晴れ渡った長3和音はシベリウスを思わせる。10分。
...
さいごに審査結果はゲン、リンドナー、リュウ、ジンの順。自分はリンドナー、リュウ、ゲン、ジンの順。リュウのドイツ的なあらっぽさがフランス人には合わなかったらしい。
返答でゲンは日本語でスピーチした。グラーツでヒューラーに習っただけで日本に住んでいないのに武満が好きで自分で密かに勉強したらしい。

 作曲家 指揮者 ピアノ 現代音楽 オペラ∩声楽曲


日付:2019年06月29日

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