K子さんのブログ（日記）〜クラシック音楽の総合コミュニティサイト Muse〜

今、ブラームスのピアノトリオ1番を浚っています。
久しぶりに今週末に室内楽の集まりに出席するので、一昨日から練習しはじめました。

この集まりは、最近ちょっと足が遠のいていました。気軽な感じでぱっと合わせて楽しむ会で、あまり私に合っていると思えないし、その上ピアノの達人がたくさんいるし。。

でも今回は、別のところでやることになっている曲だし、練習がてら出てみようかなと思いました。

大好きな曲ですが、この前のセミナーで他の人のレッスンを聴講していて、実は大泣きしました。
1楽章の終わりの方はとても静かな曲調に変わるのですが、ヴァイオリンによって綺麗なメロディが弾かれるところがあります。そこのところで先生が「外はまだ曇っているけれど、心の中は晴れ渡っている、幸せな気持ちを秘めている、自分は幸せを実は知っている、という感じで弾きなさい」とおっしゃったのでした。

音楽はそもそもそういうものじゃないかと思います。その曲や音楽そのものがどんなに素晴らしいと思っているか、言葉では説明できない、大事すぎて露骨には表せない、心に秘めている、だけど演奏には思わず滲み出る、みたいな感じ。

聴講していたときは、先生の音楽に対する愛情が伝わってきて感動したのと、自分が渇望しているものが手に入らないかもしれないという思いが溢れてきて、感極まってしまいました。

今日は歌のレッスンに伴奏に行ったのですが、先生が「歌への愛情が感じられない。愛情があるなら、そんなふうにフレーズの終わりが雑になるはずはないし、そんなふうに一本調子で歌えるはずがない」とおっしゃったのが印象的でした。

ほんとにそうなんですね。好きだから、もっと曲を理解したいと思うわけだし、綺麗に弾きたいと思って浚うわけです。「好き」というと曖昧なので「音楽への感受性」と言い換えてもいいかもしれません。演奏者がその曲を大事に思っているかどうかは、聴いていると分かってしまいます。

ブラームスのこの曲は、最初にピアノのソロで静かに始まります。この部分、ほんとに大好き。いろいろ音のバランスを試してみています。あんまり歌いすぎるのも違う気がするし、淡白すぎるのもつまらないし。懐かしくて哀しい感じや、手に入らないものへの憧憬みたいなものを表したいです。ブラームスはどの曲も気持ちがこみ上げてきてしまいます。

　ピアノ