『温故知新』と潜在意識の中にあるもの
人間の記憶とは非常に面白いもので、
悲しみの念は長年記憶していても、喜びの念は意外や意外忘れがちです。
Joy’s recollection is no longer joy, while sorrow’s memory is sorrow still”
これをとても上手く表現したのが私が敬愛している詩人バイロンである。
以前に川崎にある沖縄食材専門店に導かれた話を書きましたが、
素通りする筈が素通りできずに店内に足を踏み入れることとなりました。
不思議なことに、店主が宮古生まれ宮古育ちの宮古人で
自分が現在ものすごく力を入れている地域でもありますので、
驚きを隠せませんでした。
しかしながら、人間の行動の全てには必ず何らかの意味、
若しくは原動力があるのです。
暫くしてから家の中を片付けてみてわかりましたが、
私の潜在意識の中にはこのお店がきちんと存在していたのです。
人の記憶は不思議なもので、既に忘れていたのですが、
新聞の中にあったそのお店の宣伝広告を自分は切りぬいて大切に取ってありました。
自分では殆ど覚えていないのですが、きっとその当時は興味があったのか、
いつしか行ってみようとか、沖縄食材購入したいなぁとか、思っていたのでしょう。
そしてふとした瞬間にそういった想いが念となって蘇ってくるのでしょう。
悲しみや苦しみばかり記憶しがちな人間の心理ですが、
喜びや楽しみもきちんと潜在意識の中には存在している。
それをよりポジティブな方向へ持っていくことができれば
人の運は開け、幸福を掴むことができるのです。
ちょっとした日常生活の些細なことなのに、
この話を宮古の人に実際したら、またまた進展が御座いました。
そこは沖縄食材専門店のみならず、飲食もできる所、
焼酎も現地から取り寄せた良い物しか置いていないという拘りぶり。
次回のVIP会食は是非そこで・・・と嬉しいお誘いがあったくらいです。
癒しだの、楽園だのと南の島リゾート夢物語がありとあらゆる場で語られ、
沖縄の離島では石垣島の前例からも分かるように
自然環境から地域社会までもが無惨なまでに破壊されているのが現状。
スピーディーな情報化社会の中で日毎に煽られる沖縄観光・移住ブーム情報から
計画性なく無闇に促進されていくリゾート開発や住宅・アパート建設事業、
宮古が石垣島の二の舞を演じないように島民が一体となって
この問題に取り組んで、今現在真摯に考えている御様子、
本当の意味で琉球王国や島文化に触れる為にも日々が研鑽の嵐。
『温故知新』とは孔子の残した言葉ですが、
昔の事をよく研究し、それを参考に今突き当っている問題や
新しい事柄について考えていくこと、
つまり、『温』は肉をとろとろになるまで煮詰めること、『故』は昔のこと、
すなわち、『古きを温めて(たずねて)新しきを知る』ということなのです。
He that would know what shall be must consider what has been.
自分という人間の潜在意識の中にあるものも含めて古きを探求し、
自分の未来をより良い方向へ変えていければ幸いに存じます。
めでたし、めでたし!!!
裕美・ルミィヤンツェヴァ
作成日:01/04 01:26 最終更新日:01/04 01:26
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