『あなごめし』の謎
どうやら『あなごめし』というお弁当もあるようで、
こちらは『あご』ではなくて『穴子飯』、
御飯は椎茸のみじん切りに穴子の皮も一緒に混ざった炊き込み御飯。
その上に載る穴子は甘辛く煮られていて、ちょっと濃いめの味。
しかしながら、量的なバランスからいくと全体的には釣り合いが取れているようで、
刻み海苔を細かく刻んでふわふわ感を満喫しつつ、海苔の風味を楽しめるのだとか。
他にも卵焼き、なます、甘納豆、人参などなどが入っており
彩り鮮やかなお弁当として人々に愛されております。
因みに『なます』とは漢字で膾と書く酢ベースの和え物。
魚介類や野菜類を細く切ったものを酢を基本にした調味料で和えた料理のことで、
お正月の縁起物としても古くから食されております。
調味料として用いられるものは甘酢、二杯酢、三杯酢、ゆず酢、たで酢がありますが、
古くは煎り酒(鰹節、梅干、酒、水、溜まりを煮詰めたもの)
なども用いられていたそう。
御節調理としてはごく細く切った大根と人参を甘酢で漬け、
柚子の皮で香りをつけた紅白膾が用いられることが多い。
これは繊切りの大根と人参を縁起の良い紅白の水引に見立てたもので、
赤と白を源氏と平家の旗に見立て『源平膾(げんぺいなます)』とも呼んでいます。
また、魚介類や野菜類を酢味噌で和えた料理『ぬた』も膾の一種だそう。
こうして考えてみますと江戸時代のお弁当は
当時でいうところの保存食、御節料理の延長かもしれません。
お正月くらい女性に休暇をということで、
芽生えたのがそもそも御節料理の始まり、
御先祖様のお弁当販売により家事を逃れられた主婦たちも
もしかしたら長崎に大勢いたかも????
出島はかつて我が国で唯一海外貿易が許された国際貿易港でしたから、
オランダ・中国は勿論のこと、異国情緒に満ちた商業街であったことは確か、
更に長崎は日本初で缶詰が製造された土地であり、
じゃがいも、コーヒー、ビールが伝来された場でもあります。
したがって、他市と比べ保存食製造や食文化に長けていたのかもしれません。
今日も一つお利口さんになりましたとさ。
めでたし、めでたし!!!
裕美・ルミィヤンツェヴァ
作成日:05/04 00:56 最終更新日:05/04 00:56
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