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鯨カツ弁当の謎

御先祖様が長崎でお弁当屋をしてひと儲けしたという
代々の言い伝えを頼りに本日は『鯨カツ弁当』の謎を探ってみました。
  
今や鯨の捕獲はグリーンピースをはじめとする
自然保護団体に反対されつつありますが、
鯨は昔から日本人にとって資源の宝庫、
鯨肉はさておき、鯨油からは灯用、石鹸、グリセリン原料、製革工業、減摩剤、
食用硬化鯨油から化粧品原料まで広範囲に亘り利用されてきました。
また、鯨髭の利用はプラスチックの代用として釣竿の先端部分、
ぜんまい、裃の肩衣用整形部品などなど多岐に亘っております。
西洋ではコルセットやドレスを膨らませる腰骨としても重宝。

鯨油はその他肥料やペットフードに、
鯨の歯は象牙同様、彫り物などの工芸品、パイプや印材などに加工されておりました。
イッカクの牙は薬用に、頭部に於けるメロン体周囲繊維束は
テニス・ラケットのガット用、皮膜は皮革原料になりました。
更に肝臓からは肝油が、脳下垂体、膵臓、甲状腺などからはホルモン剤が採取、
腸内生成物は竜涎香と称し、香料として珍重されておりました。
全く余すことなく最大限に利用されていたのが世界一の巨大生物、鯨だったわけです。

さて、長崎と鯨の結び付きは意外かもしれませんが、
その歴史は古く弥生時代に遡り、明治以降も近代捕鯨が盛んに行われておりました。
そして長崎の味といえば『鯨のお弁当』、
メインは市内の鯨専門店『くらさき』の鯨カツ、
ミンク鯨を秘伝のタレに漬け込み調理した物が今でも大人気。

この鯨肉は脂分が少なくさっぱりしていながらも深みある味わい、
御飯は鯨のそぼろ肉、錦糸玉子、インゲンの三色御飯、
聞いているだけでも豪華な響きが御座います。

自分の御先祖様とこの『鯨カツ弁当』の繋がりは定かではありませんが、
江戸時代にひと儲けできた食材とは一体?????
ということを考えると即座に鯨を想像してしまった次第です。

今日も一つお利口さんになりましたとさ。
私の研鑽生活はまだまだ続きます。
めでたし、めでたし!!!


裕美・ルミィヤンツェヴァ


作成日:05/04 00:57 最終更新日:05/04 00:57

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