酒石酸の謎
酒石酸(しゅせきさん)は英語で Tartaric acid、
酸味のある果実、特に葡萄、ワインに多く含まれる有機化合物で、
示性式が HOOC−CH(OH)−CH(OH)−COOH と表されるヒドロキシ酸。
IUPAC命名法では 2,3-ジヒドロキシブタン二酸
(2,3-dihydroxy butanedioic acid) となる。
ワインの樽に溜まる沈殿(酒石、tartar)から、
カリウム塩(酒石酸水素カリウム)として発見された為この名がある。
常温常圧で無色の固体、極性溶媒によく溶ける。
水への溶解は、L体、D体、メソ体はよく溶けるが、
ラセミ体は比較的溶けにくい。
分子量は 150.09。英語のTartaric acidからタルタル酸とも呼ばれる。
酒石酸は2つの不斉炭素を持つ為、
L-(+)-酒石酸(2R,3R)、D-(−)-酒石酸 (2S,3S)、
メソ酒石酸 (2R,3S) の3種類の異性体が存在する。
フランスのルイ・パスツールがラセミ体(DL体)の
酒石酸塩(酒石酸ナトリウムアンモニウム)を、
その結晶の形をもとに光学分割することに成功し、
光学異性体の概念を史上初めて示したことで知られる。
天然に比較的多く存在するのはL体である。
右のメソ酒石酸は天然には存在せず、キラリティを持たない。
また、ラセミ体はブドウ酸と呼ばれる。
酒石酸は食品添加物としての使用が認められており、
酸味料などとして食品に添加される。
医薬に於いては水溶性を改善する為、
酒石酸の塩として供給されているものがある。
有機合成化学の分野では光学分割剤として用いられる他、
誘導体が不斉触媒などとして使われている
(酒石酸ジエチルを用いるシャープレス酸化が有名)。
『疲労を回復する』、『整腸作用がある』などといわれているが、
ヒトでの有効性・安全性については
科学的に信頼できる十分なデータが無い。
なるほど、果実、特に葡萄、ワインに含まれているのねぇ。
私の研鑽生活は今日も続きます。
今日も一つお利口さんになりましたとさ。
めでたし、めでたし!!!
裕美・ルミィヤンツェヴァ
作成日:03/15 01:33 最終更新日:03/15 01:33
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