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ショパン紀行を読む?

 ショパン一家がワルシャワに移り、以後20年間ショパン
はこの地で過ごす。彼にとって、故郷とはこの町以外にはあ
りえない。

 一家は最初は、父がフランス語の教師をしていたサスキ宮
殿の一角に住んでいたが、ポーランドがロシアの支配下に入
ったのち、クラクフ郊外通りにあるカジミエシ宮殿の別館に
移り住んだ。

 今回は、少し早いがショパンの初恋の女性グワトコスカ(G嬢)
のこと。『紀行』には「ショパンは、このサスキ公園で、コン
スタンツィアに指輪を贈った。そして翌日、ポーランドを離れ、
以後二度と祖国に戻ることはなかった」とある。

 ショパンもよく通っていたというカフェ・ホノラトカでG嬢
に声をかけることなんてことなかったのだろうか?『なかった
だろうな。』教会の中でG嬢の熱い視線を感じただけで「ボー」
としたという純情な少年ではねー。

 さて、『紀行』の著者夫婦は、このヴィジトキ教会でオルガン
奏者のタデウシュさんが聖体拝領の際に弾いた「アヴェ・ヴェル
ム・コルプス」を聞き、「ショパンが愛したモーツァルトを、こ
の教会で聞くことができた小さな奇跡に感謝した」ともある。

 ヴィジトキ教会はプロテスタントの教会のようである。「アヴ
ェ・ヴェル・・・」をカトリックの教会で聖体拝領のときに聞くこと
があるかなー、ウーム?

 それは別として、ショパンのG嬢への思いは、どちらかという
とモーツァルトのアロイジアへの恋心に近いものではなかったろ
うか。「遠く離れざるを得ない・絶ちがたい思い・実るはずのな
い恋」などなど。

勇んで乗り込んで行ったウィーンで思うような成功を収めること
の出来なかった時期に、ショパンはロッシーニのオペラを観て、
G嬢のことを思い出している。『湖上の美人』や『モーゼ』だった
と記憶しますが、いずれも、男性の側からの「悲恋物語」含み。

 ショパンはG嬢に「指輪」を送ったか?こちらは『湖上の美人』
のストーリーに近いな。『モーゼ』のヒロイン・アナイスは「恋人」
のアメノフィスへの思いを断ち切って、モーゼとユダヤの民の下に
加わっていく。こちらは「音楽の道」に身を捧げなくてはならない
ショパンの心情に近い気がするのだけど、どうだろう。ちょっと強引
かな?


作成日:04/16 00:50 最終更新日:04/16 00:50

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