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久々のラグタイム・ソング解説

アレェクスェイ(p)&裕美(vo)&後藤雅広(cl)のラグタイム・トリオ
●CABARET RAG by Joseph M. Daly(1913)
おそらくこれが世界初の『キャバレー・ソング』なのでは???
と解説しながら、VAUDEVILLEの再現と言わんばかりに歌っているのが
この『CABARET RAG』、私のお気に入りでもあります。
1913年に Joseph M.Daly によって作曲されたこの曲、
歌詞は Thos. S. Allen(1876-1919)が手掛けました。


●BILL BAILEY by Hughie Cannon(1902)
ビル・ベイリーは1902年に作られた
世界初のラグタイム・ソングとして有名だが、
歌詞の内容について知っている者は極めて少ない。
BILL BAILEYは黒人のVAUDEVILLIANでした。
彼が一晩中痛飲していたことに腹を立てた奥さんが
彼を家から追い出してしまうお話なのですが、
そのときに持たせた物ときたら歯ブラシ1本のみ!!!

VAUDEVILL ピアニストであり、彼の飲み友達であったCANNONは
二人の寄りが戻るようにとBILLに部屋を借りるためのお金を渡しました。
彼らの作戦とは、BILLに別の寝床があると知ったら奥さんだって
BILLに帰って来てもらいたいって思うだろうということなのでした。

案の定、彼女の叫びは「WON’T YOU COME HOME BILL BAILEY」。
この曲は当時大ヒットし、連続物とまでなった。
例えば「I WONDER WHY BILL BAILEY DON’T COME HOME?
(ビル・ベイリーは家に帰って来ないのかしら)」とか、
「SINCE BILL BAILEY CAME BACK HOME
ビル・ベイリーが家に帰って来て以来)」。

実はこの奥さん、BILLを追い出してから
別の男と結婚したものの、今度は自分が捨てられてしまったのだ。
男の酒飲みが身勝手なのか、女の恋心がわがままなのか???
と社会問題になりそうだ。


●THE CHOP-STICK RAG (1912)
words by Wm. Jerome & Grant Clarke
music by Jean Schwartz
清とイギリスとの間に1840年から2年間行われた阿片戦争
を思わせる『オピウム、アヘン』が歌詞に登場する曲。
南京条約をもって終戦となったこの戦争は
その名の通り、アヘンの密輸入が原因で勃発しました。
当時上流階級の間で広がっていた紅茶の風習に伴って、
イギリスは清から茶、陶磁器、絹を大量に輸入しておりました。
しかしながら、銀の国外流出を抑制するため清へ輸出できる物品として、
植民地インドで栽培させていたアヘンを仕入れ、
清に密輸出することであらゆる超過分を相殺、
何とかして三角貿易を整えなければなりませんでした。
中国人はラグタイムを知らなくてかわいそう。
でも黄色人種、麻薬の売人、中国人もお箸を使って
シンコペーションを楽しんでいるんだよ
といった人種差別、軽蔑を歌詞に含むかなり過激な内容です。
作成日:09/02 20:17

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