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我が友、我が師、永眠

去る7月に我が友、我が師、ヴラディミール・シゾフ氏が
永眠していたことが昨日、ロシアからの連絡でわかりました。
彼は我々がロシアで組んでいた
ジャズ・トリオのメンバーの1人、ニコライ・シゾフの父で
親子共に国家を代表するトロンボーンの名手である。

私がロシアでシンガーとしてデビューできたのも
この親子の存在あってならでは
公私共に非常に可愛がっていただきました。
共演の数々、想い出の数々を思い起こせば、
笑顔の絶えない優しく温かい本当に素晴らしい人でした。

彼はソビエト時代にロシアのディキシー・バンドを
初めて海外に派遣したリーダーでもあります。
あの秋吉敏子の義理息子、マンデー満ちるの夫、
アレキサンダー・シピアーギンを育て上げた恩師でもあります。
シピアーギンがモスクワのトランペット・コンクールで
グランプリーを受賞したのも、ニューヨークへ渡って大成功したのも、
幼少よりシゾフ氏の下で幅広くジャズと振れ合い
過ごしたからこそなのでしょう。

9月には4時間に亘りシゾフ氏を偲んで、
追悼コンサートが開催されました。
ロシア中から大勢のミュージシャンが集まった模様、
ジャズ演奏家なら誰もが知る歴史に残る偉大な人でした。

今思えば、還暦過ぎに『あと何年生きれるかな???』
と話されていたのが最期でした。
それでも死ぬまでトロンボーンを肌身離さず傍に置き、
最後の最後までジャズをこよなく愛し演奏なさっておられました。

永遠に子供心を失わない元気一杯の非常に朗らかな人で、
年上の奥さんといつも仲良く畑を耕しては、
我々の為に美味しいものをしばしば拵えてくれました。
一人息子の心配を随時し、会う度にニコライへの食べ物を
我々に言付けるようなそんな息子想いなところもちらほら、
全ての苦労を喜びに変え、全ての悲しみを笑いに変え、
出会う人全てを幸せにできるようなそんな人柄でした。

本当に本当に惜しい人を亡くしましたが、
心よりご冥福をお祈り申し上げます。



裕美・ルミィヤンツェヴァ
作成日:10/06 00:21

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