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全てをプラスに変えて

過去4・5年間とあるライブハウスで11回の公演を開催しました。
店主が『ラグタイム』でネット検索したところうちがヒットしたとのことで、
出演依頼してきたのだが、未だ日本に来たばかりで実家からの通い、
往復5・6時間掛かった上、タクシーや深夜バスの利用、
ひどいときには終電に乗り遅れて界隈のファミリー・レストランで5時台の始発待ち。
御想像の通り、交通費と飲食代だけで数万円という世界でした。
横浜駅からうちまでのタクシー代が4400円でしたから、
まぁ、こういうのを大変な下積み時代と巷では呼ぶのでしょう。

しかもチャージ・バックの計算方式が店主の日当を差し引いた残りといいますか、
お店が潰れないぎりぎりの線というものでしたので、
11回の公演で得た収益金はゼロに等しい。
それどころか、必要経費だけでも数十万円、
いや、衣装代、楽譜代、通信費、ピアノ調律費を考慮に入れていたら、
そんな額では済まず数百万円の次元に・・・
それを遣り繰りする為に私はとある新聞社に出稼ぎに行っていたくらいです。

この世の中には必ずと言っていい程、金銭的利害関係が生じておりますので、
私にとってはこれは単なる試練、大飛躍へ向けての糧でしかありませんでした。
しかしながら、演奏依頼をしている側の店主がこれをOK、
当然のこととして捉えているならばここには大きな問題が生じているのです。

お店が経営危機に直面することがあるように
我々にとっても演奏収益金というのは死活問題にも繋がる大変重要なこと。
極端な例を挙げて分かりやすく申し上げますと、
『会社の社長が社員を募集して正社員に労働を課し、
毎月毎月社長の給与は保証されるが、
社員の給与は21億円の売り上げ達成してからだ』と言っているような契約、
つまり依頼主である社長の給与保証型、
実際に労力を継ぎ込んでいる労働者である社員の給与は制限型歩合制。

これはお金を払ってでも演奏の場を求めようとする
アマチュア・ミュージシャンに対してはOKですが、
演奏活動を生業としているプロ演奏家にとっては完全たるアウト。
この度既に決定していた演奏会を先方の都合でキャンセルされましたので、
一言させて頂きましたが、『罪悪感を感じる』というセリフは単なる後の祭り、
罪の意識がある人はそれをそもそも11回も繰り返しません。

最近、地方の警察官と電話で話す機会に恵まれ、悪徳行為について議論しましたが、
連続犯罪というのは悪気がなければやらないもの、本当にそうだなぁと思いました。
一般人は日頃法や罪と無縁ですのでどうしても罪人に対する情が湧いてしまい、
『相手に悪気はないと思うのですが、余り度が過ぎるので・・・』
とかなんとか、罪に対してあまり攻撃的にはなれないものなのですが、
警察官は毎日それを取り締まっている立場、随時情け無用で対応できるのです。

結果、その会場ではもう2度と演奏しないであろうということで、
取り置きしてもらっていたCD4枚を着払いで返品してもらいました。
私から『着払いで送りくださって結構です』と申しましたら、
『罪悪感を感じる』と仰っていた店主は本当に着払いで送ってきました。
ほんの数百円の問題ですが、これが物事の2面性、今後の人生を大きく揺さぶるのです。
このCD4枚が私にもたらした幸福はまたまた次のお話です。

私は自分に正直に生き、出来る限りの努力を日々怠っておりません。
守護霊様は随時私を見ています。
つまり、運は勇者に味方する。
これぞこの世の七不思議、波動は常に生じているのです。


めでたし、めでたし!!!
裕美・ルミィヤンツェヴァ
作成日:05/19 14:10

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