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仮面舞踏会の謎

ナポリのサン・カルロ劇場から新曲依頼を受けたヴェルディは当初、
シェークスピアの『リア王』のオペラ化を計画したが、
サン・カルロ劇場がヴェルディが望む
歌手達と契約しなかったことで『リア王』オペラ化計画が頓挫した。

そこでヴェルディが選んだのがスクリーブの戯曲であった。
この戯曲はスウェーデンの啓蒙専制君主グスタフ3世が
1792年に仮面舞踏会の壇上で暗殺された事件を題材に、
王と暗殺者アンカーストレム伯爵の妻との
架空の恋を絡ませたものであった。

しかし、国王暗殺という内容を
検閲の厳しいナポリで上演する事が不可能となり、
検閲があまり厳しくないローマで上演する事になった。
ただし、これには条件が付いた。
その条件とは作品の舞台をヨーロッパ以外の場所することだった。

そこで舞台をイギリス植民地時代のアメリカ・ボストンに移し、
主人公グスタフ3世はボストン総督リッカルド、
暗殺者アンカーストレム伯爵は総督の秘書レナートに、
国王に反対する貴族ホーン伯爵とリッビング伯爵を
それぞれトムとサムエルとした。
そして、リッカルドの殺害に使われた凶器を
ピストルから短剣に変えた。
しかし、最近は舞台をスウェーデンに戻し、
改定前のヴェルディの初期版に配した上演も増えてきている。

シェークスピアの『リア王』は若かりし頃、
イギリスの劇場で拝観しましたが、
ヴェルディは当時オペラ化できなかったのですね。
時代を感じます。

因みにシェークスピアは大好きですので、
全作品原版で読んでおります。

これぞこの世の七不思議!!!
めでたし、めでたし!!!

裕美・ルミィヤンツェヴァ
作成日:02/10 16:04

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