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加藤訓子「スチールドラムワークス2011」公演
kk
ドラム缶、或いはスチールドラム!
「ドラム缶」というと工業用資材液体の容器ですが、「スチールドラム」と呼ぶと忽ち楽器になってしまうから不思議です。「スチールドラム(スチールバン)」はドラム缶から作られた音階のある打楽器です。カリブ海最南端の島国、トリニダード・トバゴ共和国で発明され、「20世紀最後にして最大のアコースティック楽器発明」と呼ばれているといいます。 尚、トリニダード・トバゴ政府により、「国民楽器」として1992年に正式に認められた楽器としても知られています。

「素材」を音にする加藤訓子!
世界的な打楽器奏者として、国際的な活動をしている加藤訓子(かとうくにこ)。彼女はローザス、中村恩恵、加藤みや子、佐藤知子など実力派ダンサーたちとコラボレーションを重ねるなど、常に先鋭的な活躍をしているアーティストです。
例えば、元ネザーランド・ダンス・シアターのダンサー中村恩恵とは、さいたま芸術劇場を会場にして、中村が振付、加藤が音楽監督を担当するというプロジェクトを展開し、2005年には加藤のために書き下ろされた、三島由紀夫の作品を使ったミュージックシアター《浄土》を日本初演(ジェームス・ウッド作曲)するなど、その活躍に注目しないではいられません。

加藤訓子というひと。
「鋭く研ぎ澄まされた音楽的感受性と優れた芸術性を併せ持つ」と評され、ソリストとしてマリンバのみならず多種多様な打楽器にその天性の才能を発揮しているソリストです。
そのため、武満徹、スティーヴ・ライヒ、フランコ・ドナトー二など著名な作曲家指揮者から注目され、世界を舞台に活躍しています。またその先鋭的な存在のためでしょう、若い作曲家からの信頼も厚く現代から古典、オリジナル作品と幅広いレパートリーを持ち、ジャンルを越えて、新しい境地を広げているアーティストです。

ドラム缶を素材として叩く!
そんな彼女は、「自己をみつめるために」と、彼女自身によるプロデュース公演を行っています。今回の加藤プロデュースによるソロパーカッション&スチールドラム(ドラム缶)ライブパフォーマンスは、既にバンクーバーなどで評判となったもので、「素材」としての打楽器にこだわった構成だといいます。
今回は、ドラム缶そのものをメインとして、それが発展してできた楽器、スチールドラム(スチールパン)も使われます。また、彼女自身によるオリジナル楽器も制作しているといい、ピアノ線やギター線を張った楽器も登場するようです。

曲目と演奏について。
デーヴィッド・ラング作品《アンビル・コーラス》は、かつて鉄工所で金属を叩く労働者が、騒音や事故防止のためにリズムを変えていたという史実に基づくものだといいます。楽器の選択は演奏家に委ねられ、様々な打楽器、例えば10以上のメタル素材や木の楽器、そしてバスドラムなど。その中にはペダルを使って足で奏でるものもあるといった具合で、ひとりの演奏家がすべてのパートを演奏します。
スティーヴ・ライヒの作品《エレクトリック・カウンターポイント(パーカッション・ヴァージョン加藤訓子編)》は、音響との共同作業がポイント。パートをいくつかに振り分けて、既に多重録音した音をステレオで音を出すだけでなく、会場に設置した様々なスピーカーから音を出していく予定とのこと。楽器編成は、第1楽章はスチールドラム、第2楽章はビブラフォン、そして第3楽章がマリンバという構成。
このインダストリアルな「ドラム缶」から金属鍵盤楽器の「ビブラフォン」、そして木製の「マリンバ」へと移っていく過程を加藤は演奏によって聴かせ、見せていきます。「ドラム缶からできているスチールドラムが楽器になっていく過程を見せたい」とも語る加藤は、奴隷だった黒人たちが生み出したスチールドラムの歴史をも聴かせてくれようとしているのでしょう。
「この神秘的な響きは私の小さな体の中に潜む新たな鼓動を呼び覚まし、その後も私の打楽器奏者としての世界観を広げてくれた。今回の舞台では、このドラム缶たちが生まれた場所に立ち戻り、そこから更に世界へ向けの新たな出発点である。」という言葉に加藤の思いが込められているように。ドラム缶が作る音の世界は人間の歴史をも超えて飛び立って行くに違いありません。

By 山口眞子・Fuji-tv ART-NET 掲載

コンサートインフォメーション
名古屋公演
日時=2011年3月11日(金)19:30開演、12日(土)13:00開演&18:30開演(二公演)
会場=愛知県芸術劇場・小ホール
曲目=デーヴィッド・ラング:アンビル・コーラス
加藤訓子:プラネット・アース
スティーヴ・ライヒ:エレクトリック・カウンターポイント(パーカッション・ヴァージョン加藤訓子編)
モーリス・ラベル:ボレロ
演奏=加藤訓子・ソロパーカッション
宮本 宰・サウンドクリエーション
料金=全席自由/一般前売3,500円、一般当日4,000円、学生2,000円
お問い合わせ番号=愛知芸術文化センタープレイガイド 052-972-0430
http://www.aac.pref.aichi.jp

横浜公演
日時=2011年3月29日(火)19:30開演、30日(水)18:30開演
会場=横浜赤レンガ倉庫1号館
曲目=デーヴィッド・ラング:アンビル・コーラス
加藤訓子:プラネット・アース
スティーヴ・ライヒ:エレクトリック・カウンターポイント(パーカッション・ヴァージョン加藤訓子編)
モーリス・ラベル:ボレロ
演奏=加藤訓子・ソロパーカッション
宮本 宰・サウンドクリエーション
料金=全席自由/一般前売3,500円、一般当日4,000円、学生2,000円
お問い合わせ番号=横浜赤レンガ倉庫1号館 045-211-1515
http://www.yokohama-akarenga.jp/

公演専用サイト:http://www.kuniko-kato.net/sse
作成日:02/07 05:32

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