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高嶋ちさ子さんとカルメン(幻想)
XP太郎
「高嶋ちさ子さんとカルメン(幻想)」

『ヴァイオリニストの音楽案内』を一通り読んでみました。とても、良く書けているのではないだろうか。シンフォニー、管弦楽曲、コンチェルト、室内楽曲・器楽曲、オペラ・その他をバランスよく選曲し、ややハメをはずす文章もあるが、『自分に、ご褒美あげたい気分』と書くだけのものはあったと思います。
概して、こうした名曲・名盤案内は音楽評論家が書くものが多く、“カラヤン憎し”といった“アクの強い”例外を除けば、どれも当たり障りのない文章のものが多い。
この本で印象残るのは、彼女が恩師と仰ぐ元N響のコンサートマスタ徳永二男さんに関するものと、日本の俊英ソリスト江藤俊哉さんのレッスン風景である。彼女にとって徳永さんは、包容力のあるその人柄が相まって「わが敬愛なる徳永先生」である。ベタ惚れ。
片や、「コチコチのカトリック教徒」である江藤俊哉さんは、“クロイツェル・ソナタ”の演奏後『あなたはベートーヴェン合いませんね。カルメンのほうが合いますよ。カルメンみたいな顔しちゃって』なんて「ユーモア」をおっしゃる「泣かせるオジちゃま」なのである。
ちさ子嬢は、『そうよ、私はカルメンなのよ。「純粋な男の子を池の鯉のように、手を叩いて呼び寄せては、砂利をまいて窒息死させる悪女」。ふむ、似ていないこともないか、でも最後は「信長みたいに」ステージで殺されるわけね・<中略>・(この鳩のように純情な乙女の私がウッ、ウッ(↓)』と、「悔し涙のセリフ」など書き召される。
『ですよねー、“カルメン”は貴方より諏訪内さんのほうが似合ってますよ。』

もうひとつ、高嶋さんは「オペラもバレーもそんなに興味ないんです!」とか。理由は、
「それはですねーわれわれ演奏者を二の次に考えていて、ピットに入れられちゃうし、自分たちの歌い方や踊り方に音は合わせろ!!という考えが気に入らん・・・なんてひがみ根性ですかね。」とのことですが、いや、実にすばらしい。
おそらく、大指揮者ショルティがバレーについては同じ考えを持っていたことをご存じではないでしょうけど。彼は「売れない時期」にバレー団付属の指揮者にならないかと誘われたのですが、実は普段から音楽の流れを歪めるダンサーの踊りに腹を立てていたのでした。『こなくそ、芸術はインテンポじゃ、わしゃ最後まで正しい演奏を押し通すぞ』てなわけで、ダンサーの踊りを無視して指揮をとり、ダンサー達を「カエルかバッタのごとく」ピョン、ピョンとステージの上で飛び跳ねさせたのですね。彼にとって、この自らの「首切り行為」が後の大指揮者への道につながったのです。ちさ子嬢もひょっとして指揮者のほうが似合ってたりして・・・。
冗談はさておき、高嶋ちさ子さんの本は、文体は別として『まじめに作られています、おそらく、ステージの上の演奏と同じように・・・』(ブラボーの拍手)
作成日:04/21 17:41
7件のコメント
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はじめまして
足跡帳が見あたらなかったのでこちらに
書き込みさせていただきました。
高嶋さん、ショルティのお話、最高に面白かったです。あと、ブログに書かれていた小菅さんのところの記述や、アシュケナージのマズルカのお話も、
私の頭のもやもやをまさに表現してくださって
いるような気がします(笑)
ルイサダのことを書かれていたブログで思ったことで、ここに書くべきではないかもしれませんが、
自己紹介がてら以下に書かせていただきます。
10年以上前に、リヒテルのコンサートのチラシに
「最後の巨匠」、と書かれているのを見て、
不謹慎にも、自分の見ることのできる最後の生演奏になるかもしれないと、バイト代をはたいて行きました。すると、小さい巨匠が眼鏡をかけて楽譜を
のぞき込むようにゆっくり弾く姿を見て、
(その当時の自分は若くて、超絶技巧の早い演奏を期待していたので)なんだこりゃ?本当に巨匠なの?みたいな気分で帰ってきました。愚かなことですが、今になってみるともう一度じっくり聞きたいです。
またこちらのページにも遊びに来させてください!
よろしくお願いします。
07/27 15:17

こんばんわ。

高嶋さんの本、アマゾンのユーズドで買って読みました。楽しくて一気に読めました。XP太郎さまに感謝!
なんと1円で買えてしまいました。送料だけです。
(高嶋さんに気の毒ですね。)
読んでみると、同意見の曲が結構あって嬉しかったです。素人が敬遠しがちなところなどを、上手に表現されていて電車の中でもクスクス笑いながら読んでしまいました。
今まで興味の無かった曲もあったのですが、本当に興味を持てるように書いてくださってて、世界が広がるなあと楽しみです。
XP太郎さまは高嶋さんの演奏はお聴きになったことがありますか?
高嶋さん、タレントのイメージが強くてアーティストとして意識したことが無かったのですが、もし演奏を聴ける機会があったら行きたいなあと思います。ストラドの音色も楽しみです。
08/11 02:10
XP太郎
『1円ですか?同感ですね。』よく見ると、取り上げられているレコード・CDは「彼女(あるいはスタッフ)なり」の努力の跡を感じるのですが。

実は、まだ無いのですよ。いや、先日、お姿のほうは、何かの番組で高嶋さんが出演されているのを見たのが初めてです。

(昨年、モーツァルト生誕記念のコンサートの際に、都内のオケのメンバーの混成チームの女性コンマスが、ひょっとしてと思っていた位です。この方は高嶋さんより、ずっとお若い方でした!)

声は愛らしいお顔の割には「低い」のですね。でも、時々「厳しい」横顔が出たりすると、都饗の大谷コンマスの「メス鷹」のような表情を思い出しました。

ストラドの話し、面白いですね。『楽器はひとを選ぶ』などと言ったら、「うるさい。ほっとけ!わてが一番知ってるわ。」と怒鳴られそうです。

しかし、弦楽器はその前に使っていた人の「飼いならされた響き」が残るそうですね。(iiiさんはよくご存じのことでしょうけど。)
08/11 10:47

飼い慣らされた響き!
よく弾いていた楽器は良く鳴るとか、癖があるとか言いますよね。
200年の眠りから覚めた千住さんのストラドなど、初めて弾いた時から歌い出した?なんて、正直ん??と思ったのですが、きっと楽器に選ばれたんでしょうね。
余談ですが、千住さんの名前が冠せられたコンサートに行ったことがあります。千住さんがメインで出るようなチラシだったのですが、実際は2幕目の一曲だけで唖然としたことが。。彼女も彼女の聴衆の間ではスターですね。

先日レコード屋さんに行く機会があり、高嶋さんと美女軍団みたいなCDがあって買おうかどうか迷ったのですが、見送りました。
お一人のCDもあったのですが、「メス鷹」を思い出してなんだか笑いがこみ上げて結局買えませんでした。雰囲気似てますよね。
高嶋さんには悪いけどUSEDを探してみます!
08/19 14:23
XP太郎
お話しのあった高嶋さんのCD、どれでしょう?
http://www.j-two.co.jp/chisako/ct_discography.html
『天は二物を与え給わず』と言います。時に、例外を生み出す時は『神のイタズラ』なんて言いますねー。
千住さんはよく松戸に来られるので、これまで3度程聞いております。ロマン的な演奏の似合う方だと思っていますが、本人は、イザイが一番好きだとか書いていますので、『僕らは一面しか見ていない』のだと思います。
http://www.marikosenju.com/ja/discography/album/#_

日本人のVnニストで、CDが図書館に所蔵されている演奏家は「実に少ない!」のです。女性では、千住さんと諏訪内さん位。それに引き代え、フジ子・ヘミングさんはCDも書籍も「日本人演奏家」としては「群を抜いています」。

これを『神のイタズラ』と言うのは、やはり「ヒガミ」の類。先日、Oazoビルの丸善本店でクラシックコーナーの書架を眺めていたところ、フジ子・ヘミングさん関連の書籍は、全部で17冊、ついで、グールドが12冊・・・。「美女軍団」程度では、フジ子さんにとても追いつきませんねー。
08/19 19:59

こんばんわ。
美女軍団のCDはこれでした。
タイトルは高嶋ちさ子と12人のバイオリニスト
らしいです。

http://columbia.jp/~chisako/

他の方が若いので高嶋さん、残念ながらちょっと貫禄があるように見えてしまいます。

あと、お一人のCDは貼っていただいたリンクの中の一番上の左端のものしか売ってせんでした。
他のCDに比べるとお分りかもしれませんが、そのジャケット、いささか妙(失礼ですが。。)な表情をされていてイマイチ手が伸びませんでした。
もっと綺麗な写真があったろうに。(いやほんとに失礼ですよね。高嶋さんごめんなさい。)

結局、まだ高嶋さんの演奏を聴けていないのですが、コアなファンがリクエストしない限り、図書館では聴けなさそうですね。

「神様のいたずら」か、「プレゼント」か、音楽の世界でもどこの世界でもタイミングってありますね。フジ子さんも世の中が癒しを求めていたところにスパッと入られたような感じで。。
否定的な見解もありますが、日本で大受けしたことは事実だし、図書館に置かれるのも人々の支持があるからで。
そして伝説的なところや、作曲者のような演奏スタイルはある意味、グールドと似ているのかも。本の数が多いところも(笑)
千住さんも、メディアの露出度や固定ファンがかなりいらっしゃるところなんかはフジ子さんと似ていますね。
でもお好きなのがバッハでなくイザイというところが意外?(ダジャレみたい)
確かに小品をロマンチックに弾かれる印象が私にもあります。
イザイもCD出しておられるようで、どんな演奏でしょうね?実は激しいのかな?
08/20 03:23
XP太郎
さて、どうしよう。折角、高嶋さんの本を読んでおきながら、CD1枚も、コンサートも聞かずじまいでは・・・。
はたと気づくのが、上野の文化会館資料室。こちらはインターネットで検索できること。
http://t-bunka.opac.jp/

ちょっとCDを検索してみると、ありましたねー。ルンルン気分ですよ。

例の美女軍団のCDのようですよ。でも、高嶋さんのCDはこれ1枚きりですね。ついでに、千住さんは14枚、諏訪内さんは12枚、フジ子・ヘミングさんは3枚。

これは実力通りと云ったら語弊があるか。キャリアの違いですよね。今度、手弁当持参で行ってみよう。

08/21 00:00
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