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K-451, コンポージアム、2024、武満徹賞
ターネージという作曲家は三十数年前、ウィーンからシュトットガルトに帰るときに回ったミュンヘン・ビエンナーレでオペラ「グリーク」を聴いたことがある。意外と器用でないゴツゴツとした作風で特に自分に合う作曲家だとは思っていないが、十年ぐらい前ヴッテンの現代音楽祭にも呼ばれてその時のラジオのインタビューで自分は調性と無調性の違いは全く意識をしてないというようなことを言っていた。選んだ曲は調性が曖昧でオーケストレーションも審査員の趣味。

先入観なしで第一曲を聴いてみる。イタリアのアダモ。スペインのファリャを思わせるリズム。無調の現代音楽というよりも近代音楽。リズムはストラヴィンスキーからイタリア風というよりもスペイン風舞曲。打楽器科出身なので当然そうなる。ポピュラー的な思考、ドラムセットでシンコペーションのパッセージが入る。特殊奏法はイギリスの作曲家が選んでいるので少ない。強いリズムだけが主流を占める。約10分。

2曲目はスペインのアリアス。スペイン風のキャラクターだが、各要素が分散していて互いに関係することが無くして各自勝手に表れては一つにまとまるのではなく引用風にそのまま進行する。ヴァイオリンは高音だけをしきりに使いすぎるが、木管楽器もその傾向は同じである。いろんな事象が次から次へと表れては互いに関連はし合わない。本人の顔は若きノーノを思わせ生まれ変わりに見える。10分。

3曲目のイタリア人のリグオリ作品は前もって見ていたスコアはスケスケだが、音色の配置にすごく気を付けて配置した作品。同度が鳴らされノーノの「オ・アイ・カミーノス」の作品に似ているゆっくりした曲。特殊奏法が多く微分音もあり後半の方にクライマックスが来る。19分。

4曲目の中国人のチェンの曲事前にスコア見たが東洋風の書法だとすぐわかるが、ウンスク・シンのスコア見たときほどのショックは受けない。「最初の皇帝」のようなラン・ランめいた見世物的な要素はないが、中国風の美学は豊富に入っている。ハープの撥打ちトレモロは意外と効果的に響くゆっくりした曲で同時にシベリウス的に鱧る美学も同居しているが「黄河協奏曲」を思わせる美しさのほうが優勢である。ハープとチェレスタのDuoのアンサンブルは意外と合う。15分。

曲の演奏順とは逆に1位が一人、2位が2人、3位が一人。しかし賞金は全員一律75万円としたのは賢い選択であろう。最後に各作曲家のコメント。

作曲家 指揮者 ピアノ 現代音楽 オペラ∩声楽曲
作成日:05/27 最終更新日:05/27 20:57

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