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南の島の楽園計画と国境に纏わる人間心理

南の島の楽園計画の如く、最近沖縄の離島へ移り住む人が増えてきましたが、
人口が減り、子供がいなくなり、学校が廃校になり、
過疎化していく島生活の中にも実際には数々の問題が生じているよう。

数年前に『瑠璃の島』という緒形拳主演のTVドラマを珍しくかじりましたが
そのテーマが非常に興味深く多方面において感銘を受けました。
また、学校に生徒が1人でもいれば授業をせねばならないし、
運動会も開催せねばならないという嬉しくも悲しい事態に驚かされました。

たとえ生徒が1人でも担任教師1名、校長先生1名は必要不可欠、
それでも小学校を卒業しても中学校がないとか、
高校はあっても大学がないとか、仕事はあっても専門学校がないとか、
ありとあらゆる不都合が待ち受けているとのこと、
島を離れるしか選択の余地がない子供たちがいることを知りました。

しかし、少子化・高齢化の影響で人口が減少する島社会でありつつも
石垣島のように外部からの移住者により人口が増えているという
不思議な島も存在しています。
近年、この傾向は益々強まり、
これまでになかった信号待ちや移民の土地・部屋探しがあちこちで見られ、
都会と島のギャップの中で生まれうる様々な課題や問題に島民が直面し、
無用な心配やトラブルが勃発しているというありさまです。

青空・白砂・珊瑚礁に憧れるだの、夢の島・癒しの世界だの、
沖縄琉球の歴史文化など何も知らない自己中心的な人々が
行き過ぎた沖縄ブームに乗せられ生み出す数々の悲劇がどうやらあるよう、
それでもこれらを制限・コントロールするというのもこれまた大変なこと。

そしてこの全てを解決するのが正にグリーン・カードのようなもの。
島や国家が要する人のみを受け入れ
職業難に陥るような人は予め拒否するという体制。

私は英国でも、ロシア(名称はちょっと違いますが・・・)でも
グリーン・カード保持者でした。
いわゆるビザなし訪問OKの人でした。
しかしながらこれには有効期限がありますので、長らく出国してしまうと、
没収になってしまいます。
現在はどちらも保持しておりません。

オーストラリアのような先進国でも日本人が未だ観光ビザを要するのは
長年英国圏だった影響なのでしょう。
単なる数週間の友達訪問であったのに面倒なビザ取得を余儀なくさせられた記憶があり、
出入国においては英国並みの厄介な国だなあという印象が今でも消えません。

私がこれを申し上げるのは英国の入国審査の厳しさを痛いほど知っているからです。
この国は学生ビザ保有者にも必ずと言っていいほど『NO』の返事をぶつけます。
学費を納めて、ホームステイ代を支払って、
全ての正式書類を揃えて空港に到着しても国境を超えれるチャンスはゼロに等しい。
『貴女には英語を学ぶ必要性があるのでしょうか???』
ぶつけられる質問は毎度同じで、それを問われて唖然とするしかない始末、
この論争を自力で何とかクリアしないと空港からは出してもらえないのです。
他島、他国に何とかして入り込もうとする側の心理と、
部外者を、内地の人を、外国人を入れさせまいと防御する側の葛藤は
自分自身あらゆる場で体験済みですので、痛い程よく分かります。

実際に日本は外国人にとって『夢の島』、『黄金の島』、
東京だけでもジャズ酒場300軒以上ときたら勿論、世界一の規模、
日本に呼んでくれ、仕事をくれ、コンサートを世話してくれと
これまでどれだけの友人に頼まれたことか!!!

個人的に在留資格・労働許可・再入国許可・トランジット・ビザ問題などなど、
世界中で多くのトラブルに巻き込まれた経験が御座いますので、
『国境のない自由な地球を!!!』と叫びたい気持ちは山々ですが、
自分の国の文化や歴史、地元民の穏やかな生活を考えるとなると
やはり移住民審査や税関コントロールは必要なのだなあと思い知らされます。

『郷に入っては郷に従え』はわがままながら人にはいつでも言いたくとも
いざ自分が言われると嫌なセリフ(笑)。
これぞ人間心理の本質、『行くは楽し、来られるは迷惑』みたいな
勝手気ままな想いは誰にでもあるもの、
この微妙なやり取りとバランスが最も難しいところなのでしょうか???


裕美・ルミィヤンツェヴァ
作成日:01/05 01:21

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