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ジェームス・ジョイス Telemachus

ラグタイム・ママの死ぬまでに絶対に読んでおきたい本、
第1位『Ulysses』を現在読んでいる。

James Joyce の書く文章は本当に素晴らしい。
無駄な動きがないばかりか非常に奥が深い。
『これを見習いなさい』というよりはむしろ
『そっくりそのままコピーしろ』
と言いたくなるような完璧な文章ある。

多くの作家たちが当時絶賛したように
これはたとえ数百年経っても
ずっとずっと文学史に残っていく作品だろう。

アイルランド人としての誇りから
ギリシャ・ラテン語の知識まで、
英国内での訛り・方言からアイリッシュ・ジョークまで、
カトリック教徒に対する宗教感から古文・新表現まで、
相当の知識を持って読まないと中々理解できない内容でもある。


O, won’t we have a merry time
Drinking whisky, beer and wine,
On coronation,
Coronation day?
O, won’t we have a merry time
On coronation day?


このようなコック二ー・ソングが登場したりもする。



-- You pique my curiosity, Haines said amiably. Is it some paradox?

-- Pooh! Buck Mulligan said. We have grown out of Wilde and paradoxes. It’s quite simple. He proves by algebra that Hamlet’s grandson is Shakespeare’s grandfather and that he himself is the ghost of his own father.

--
What? Haines said, beginning to point at Stephen. He himself?

Buck Mulligan slung his towel stolewise round his neck and, bending in loose laughter, said to Stephen’s ear:


ハムレットとシェイクスピアを掛け合わせたセリフでさえ、
神の存在と正体と自分の存在と霊魂との関係を
解き明かしているかのようだ。


Liliata rutilantium.
Turnia circumdet.
Iubilantium te virginum


ラテン語やギリシャ語が常に飛び交っているところも
実にジョイスらしい。


当初、猥褻な描写があるとして
イギリス・アメリカでは発売禁止処分を受けた作品であるだけに、
これから読み進めていくのがとても楽しみだ。

構成はホメロスの『オデュッセイア』のパロディになっているので、
非常に読み応えがある。
英雄オデュッセウスをさえない中年男ブルームに、
息子テレマコスを他人のスティーヴンに、
貞淑な妻ペネロペイアは浮気妻モリーに、
20年に亘る辛苦の旅路はたった1日のダブリンでの出来事に
それぞれ置き換えられている。

若かりし頃、ホメロスの『オデュッセイア』を読んだ私としては
このセッティングがたまらなくもある。
また、ダブリンの街を克明に記述している為、
ジョイスは『たとえダブリンが滅んでも
『ulysses』があれば再現できると語っていたという。

One could recreate the city of Dublin,
piece by piece, from Ulysses.
地球が誇るべく名作家が残した実に心に響く言葉である。
因みに6月16日は『ブルームズ・デイ』とされてるらしい。

私の研鑽生活は今日も続きます。
今日も一つお利口さんになりましたとさ。
めでたし、めでたし!!!

裕美・ルミィヤンツェヴァ
作成日:11/11 01:42

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