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冒険小説の謎

名門の生まれながら落魄し隠遁生活をしている主人公は
ある日、黄金色をした珍しい甲虫を発見した。
それを友人である小説の語り手に告げるが、
その途中から様子が可笑しくなる。

その後、主人公は部屋に篭ったままろくに
食事も睡眠も取らなくなり、
召使によるとその虫を本当に黄金でできている
と思いこんでいるとのことで、
心配した語り手は主人公に
どこかで療養するように説得に行く。

それを聞いた主人公は大笑いして、
『僕は気が狂ったのではない、
キャプテン・キッドの財宝を見つけたんだ』と告げる。
以下、暗号の謎が解き明かされる。

登場する暗号文は、火で炙ると現れる隠し文字が
単純な換字法を用いて暗号化されているもので、
英語文の文字や単語の出現頻度から
解読を進める手順が良く解説されている。

意外な暗号の隠し場所と
オーソドックスな暗号解読の推理小説的要素に加えて、
この時代に流行した隠された財宝を探す
冒険小説的要素も含んだ佳作である。

ハーマン・メルヴィルの長編小説『モービー・ディック』や
ロバート・ルイス・スチーブンソンの『宝島』を連想させるような
楽しい楽しいストーリーでした。
これぞこの世の七不思議!!!
めでたし、めでたし!!!

裕美・ルミィヤンツェヴァ
作成日:03/16 00:07

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